親の家じまいを始める最適なタイミング4選
「まだ早い」が招く後悔と、今すぐ動くべき理由
「実家の片付け、そろそろ考えなきゃ…でもまだ大丈夫かな」
父が亡くなってから、私もしばらくそう思っていました。
家じまいを「先延ばしにした」ために後悔する人が多いのをSNS等でよく目にします。費用が数百万円増えた、兄弟で大揉めになった、体力的に限界だった…そんな体験談を読んで私もそろそろ行動に移さなくては、そう決意して動き始めたのでした。

まず知っておきたい「先延ばし」の代償
家じまいの平均費用は、状態や規模によって大きく変わります。しかし「早く始めるほど安くなる」というのは多くの経験者が口を揃えて言っています。
| 始めるタイミング | 費用の目安 | 精神的な負担 |
| 親が元気なうちに | 50〜150万円 | 低い(親と一緒に進められる) |
| 介護が始まってから | 100〜250万円 | 中程度(介護との両立が必要) |
| 親が亡くなった後 | 150〜400万円以上 | 非常に高い(悲しみの中での煩雑な作業が多い) |
※費用はあくまで目安です。物件の広さ・荷物の量・地域によって大きく変わります。
タイミング① 親が70歳を迎えたとき
| 🎯 なぜ70歳がターニングポイントなのか 厚生労働省のデータによると、75歳を過ぎると要介護認定率が急上昇します。「まだ元気だから大丈夫」という時期に少しずつ始めることが、最もコストを抑えられる黄金期間です。 |
◆ 親が元気なうちに動く3つのメリット
- 親本人が「どれを残したいか」「何を処分してよいか」を判断できる
- 家族みんなで思い出話をしながら進められるため、感情的な対立が少ない
- 体力・判断力があるため、業者との交渉や行政手続き、不用品の処分を一緒にこなせる (これに関しては痛切に感じます)
◆ この時期にやっておくべきこと
| Step 1 | 実家のどの部屋に何があるかを一緒にリストアップする |
| Step 2 | 不用品や査定に出せるものがどれだけあるか親と一緒に確認しておく |
| Step 3 | 親の意向(実家をどうしたいか)を聞いておく |
| Step 4 | 相続や財産管理の話題に少しずつ触れていく |
タイミング② 定年退職・大きなライフイベントのとき
「退職したら時間ができるから、そのとき実家を片付けよう」—これは多くの方が考えることのようですが、実はこのタイミングも非常に重要なチャンスです。
| 退職が家じまいの好機な理由 ✓ 時間と体力がある(60代前半はまだ動ける) ✓ 第二の人生設計と同時に考えられる ✓ 親もまだ元気なことが多い | 見落としがちな注意点 ✓ 退職後に収入が減るため費用計画が重要 ✓ 自分自身の老後と同時進行になる ✓ 退職直後は疲れているため焦らずに |
また、「子どもの独立」「自身の引越し」なども家じまいを考えるきっかけになります。特に自分が実家から出て久しい場合、実家の荷物は親の記憶の塊でもあります。
「時間ができてから」ではなく「時間ができたとき=今がチャンス」という発想の転換が重要です。
タイミング③ 体が不自由になってきた・難病や病気の進行が感じられたとき
| 🏥 「まだ動ける」のうちに動くことが最大の決め手 足腰が弱くなり始めたり、難病の症状が少しずつ進行してきたり—それは「家じまいを本格的に考える最後のチャンス」かもしれません。本人が自分の意思で、穏やかに判断できる時間は、思っているより短いものです。 |
◆ こんなサインが出たら要注意
- 階段の上り下りがつらくなってきた、転倒が増えた
- 物忘れや判断力の低下が見られるようになった
- 難病・慢性疾患の治療が始まり、症状が少しずつ進行してきた
- 入院・手術を経験し、退院後に日常生活に支障が出始めた
- 「将来のことが心配」と親自身が口にするようになった
| 📖 私自身の体験談 私が母の家じまいを本格的に考え始めたのは、母がパーキンソン病と診断されてからのことです。 「このまま一軒家に住み続けるのは難しくなるかもしれない」—そう感じた私たちは、まずマンションへの住み替えを検討し始めました。いくつか物件を内見し、バリアフリーの部屋も見て回りました。 でも、そのたびに現実の壁にぶつかりました。引越し費用や新居の購入費用、実家の売却タイミング…様々な壁にぶち当たりました。そして何より、母自身の気持ちが「まだここに居たい」という気持ちと「でも体が心配」という気持ちの間で揺れ続けていて、なかなか決断できなかったのです。 結局、決断できたのはそれから数年後。パーキンソン病が目に見えて進行してきて、「もう待てない」という状況になってからでした。 実際に家じまいにむけて活動し始めると、その大変さは想像をはるかに超えていました。体が思うように動かない母に、どこまで作業をお願いできるのか。「これはどうする?」「あれは捨てる?」と確認するたびに、母の表情が曇る。荷物の整理だけでなく、母の心の整理と向き合い続ける日々でした。 あのとき、もっと早く動いていれば—母が元気なうちに、一緒にゆっくり荷物を整理できる時間があったのではないかと、今でも思います。この経験があるから、私は声を大にして言いたいのです。「病気の兆しが見えたとき、それがラストチャンスかもしれない」と。 |
「病気になったら家じまいどころではない」と思いがちです。でも実際は、病気が進行してから動く方が、本人にとっても家族にとっても何倍もつらい。だからこそ病気の「初期」「兆しが見えたとき」が、最後の穏やかに動ける窓口なのです。
◆ この時期に優先すべき3つのこと
| 優先① | 親本人の「どう生きたいか・どこで暮らしたいか」の希望を確認しておく |
| 優先② | 認知症になる前に、任意後見制度や家族信託など法的な備えを検討する |
| 優先③ | 体が動くうちに一緒に荷物を仕分けし、優先度の高い部屋から片付けを始める |
| 動けるうちに進めるメリット ✓ 本人の意思が反映された家じまいができる ✓ 認知症・要介護前に法的手続きを完了できる ✓ 子どもへの精神的・体力的負担が大幅に減る | 放置した場合のリスク ✓ 意思確認ができず業者任せになる ✓ 成年後見制度の適用で手続きが複雑化 ✓ 緊急で進めることになり費用が跳ね上がる |

「後で片付けよう」と思ううちに、荷物はどんどん増えていきます。体が動くうちが肝心です。
タイミング④ 実家が「空き家」になりそうなとき
| ⚠️ 空き家放置は法律上・費用上のリスク大 2023年施行の「空き家対策特別措置法」の改正により、管理不全の空き家は固定資産税の軽減措置が外れ、最大6倍に課税されるケースもあるそう。放置すればするほどコストが膨らみます。 |
◆ 空き家になる前に確認すべき3つのこと
- 誰が相続するか・誰が管理するかを家族で話し合っておく
- 売却・賃貸・活用の方向性を不動産会社に相談しておく(無料査定を活用)
- 固定資産税・維持費・リフォーム費などの費用試算をしておく
空き家になるタイミングは「待ったなし」のサインです。親が施設入居を検討し始めたとき、入院が続くようになったとき—このサインを見逃さないことが、後々の後悔を防ぐ最大の鍵です。
「今日」からできる!家じまいファーストステップ
家じまいは「完璧にやろう」とすると動けなくなります。まずはこの3つだけやってみましょう。
| ✅ 1 | 今週末、実家に行って1部屋だけ「どんなものがあるか」写真を撮る |
| ✅ 2 | 親に「将来どうしたい?」とさりげなく聞いてみる |
| ✅ 3 | 不動産の無料査定に申し込んで「相場を知るだけ」から始める |
| 💡 プロに相談するとこんなに違う 家じまいの費用や流れは、専門業者に無料相談するだけで大きく変わります。遺品整理・不動産売却・相続手続きなど、それぞれのプロに早めに相談することで、最適なルートが見えてきます。 |
まとめ:「まだ早い」は禁物!4つのタイミングを逃さないで
この記事では、家じまいを始める最適なタイミングとして以下の4つをご紹介しました。
- タイミング①:親が70歳を迎えたとき(最もスムーズで費用も抑えられる)
- タイミング②:定年退職・大きなライフイベントのとき(時間と体力を活かす)
- タイミング③:体が不自由になってきた・難病や病気の進行が感じられたとき(本人が穏やかに決断できる最後の窓口)
- タイミング④:実家が空き家になりそうなとき(法律・費用リスクを防ぐ)
どのタイミングも「早いほど選択肢が広い」という共通点があります。逆に言えば、先延ばしにすればするほど選択肢が狭まり、費用も精神的な負担も増えていきます。
「まだ大丈夫」ではなく、「今がベストタイミング」という視点で、ぜひ一歩を踏み出してみてください。



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